1.油断大敵、錆発生!!

俺はきらわれ者

錆

鉄鋼材は自然界の中に存在する鉄化合物を無理に製品化したものです。
そのために鉄鋼材は熱化学的に非常に不安定であると言えます。したがってそこに科学的・物理的な要因が加わると本来の姿に戻ろうとします。

それが「錆」なのです。“錆が錆を呼ぶ”と言われるように一般に吸湿性であるため空気中の水分や海水(塩分)を吸収し、錆の進行速度は加速され腐食状態となり、金属の強度などの性能が低下するのです。
そしてそれが寿命短縮などの不経済効果、安全性・美観の低下等に重大な影響を与え、 思わぬ事故や災害を引き起こす可能性は非常に大きなものがあります。

金属の錆を防止する技術は、金属の利用が進むとともに発生してきました。その結果、防錆防食技術の進歩により適切な処理と管理を行えば、さびの発生はほぼ防止できるところまできています。

省エネルギーと「さび」

省エネルギー

オイルショック以来、省エネルギーという言葉を耳にしない日は無いくらい、エネルギー問題は直接、間接的に日常生活とかかわってきています。

私達は省エネルギーというと、電力やガソリン・灯油等の消費節約だけを考えがちですが、その他にも大きな節約の方法があります。
ひとつには、塗装によって鉄・コンクリート・木製工作物の寿命を伸ばす事です。
「ひどくなる前に塗る・・・」これが長持ちさせる秘訣です。ひどくなってからでは価格や耐久性の面で割高になってしまいます。

長期的にみて、本来の機能を持たせながら長く大切に使うことは、オイルの節約と同等の価値になります。適切な防錆対策によって鉄鋼資材に耐久性を持たせることより節約されるエネルギーは、測り知れません。

さびの対策と損失額

損失

防錆・防食対策には、もちろん費用がかかります。
しかし、掛けた費用よりも錆が発生することによる損失額が大きければ防錆・防食対策は、利益を生ずる事になります。

例えば、鋼板は1%錆びると強度が5~10%落ち、両面から5%錆びるともう使えなくなってしまい、全く何の処理も施さない場合の損失額は莫大であり、適切な防錆対策は必ず利益を生むものです。
塗替は、塗膜の劣化の軽微なうちに行って下さい。

塗膜の劣化が著しくなると、素地調整に多大な費用と時間を要し、塗替間隔も短くなる事が多いのです。
持続的なメンテナンス管理が大きなウェイトをしめてきます。又、防錆対策は直接的なプラス面が少なく、腐食等のマイナス面を極力少なくするだけなのですが、なかなか力を入れ難いわけですが、巨額の被害、資源・エネルギーの浪費、特に事故、災害の深刻さなど、 そのマイナス面の大きさを考えると、その重要性は大いに強調されなければなりません。